私と貴方の秘密の一年間
 こ、ここが先生の家。一軒家だ、しかも二階建て。え、ここで一人暮らし? 大きすぎない?

「何やってんだ、早く入れ」
「は、はい…………」

 なぜか私は、昨日の電車の中で話していたイースターという行事をするべく、先生の家にお呼ばれしていた。いや、嬉しんだよ? 嬉しいんだけどさ、今?

「卵はしっかりと持ってきたか?」
「持ってきましたが、まさか放課後に呼ばれるなんて思っていなかったです」
「お前が部活だったら諦めていたけどな、帰宅部だから問題ないと判断した」
「はぁ、まぁ、いいんですけど」

 玄関を潜ると、リビングに続く廊下。途中にはいくつか扉があったけど、おそらく洗面台やお手洗いだろう。あと、階段もあった、二階建てだから当たり前だな。

 リビングの扉を開いてくれた先生。上着を脱いで、壁側に置かれているコート掛けに掛ける。
 リビングの中心にはテーブル、近くにはソファー。床はフローリングで、物が置かれている箇所には跡が付かないように絨毯が引かれているな。
 全ての家具がモノトーンでまとめられているけど、これは先生の趣味なのかな。それとも、他の人が選んだとか? 
 先生こだわりとかなさそうだもんな、他の人が選んでそう。

「何突っ立ってんの、どこでもいいから座りなよ」
「あ、はい…………」

 そ、言われましても。どこに座ればいいのか…………。

 なんか、イメージと違い過ぎて…………。もっと、汚いイメージをしていたから。私今日。あの、その…………。

 大掃除する気で来たんですけど。私のこの複雑な気持ち、どう処理をすればいいのか、誰か教えてください。
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