甘く、溶けるように。
プロローグ

世界中のどこかしらで、今きっと、LOVEイベントが行われている。



この一分一秒間に、どれくらいの人たちが恋人たちと幸せな時間を過ごしているのだろう。



そんなこと、私には計り知れない。



計り知れないからこそ、こんなにも酷く切ない気持ちになっているのだ。



「何が悲しくて、クリスマスの夜に1人街中を歩かないといけないの…っ」



高校一年生の女子高生真中千桜は、煌びやかな店が立ち並ぶ中で、一人絶望していた。



「…ひっぐ、うっ…もうやだー…」



なんで…なんでですか、先輩。

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