御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。

(繋がっていくこと)

(ずっと繋がっていくこと)


──カラオケの部屋に着くと、舜くんと光莉を中心に、どんどん歌い始めた。


私が歌い終わると、必ず頬を緩ませて、優しい顔でべた褒めしてくれる凪くん。


だけど………そんな凪くんは1曲も歌っていない。


苦手……なのかな?


「凪くんは……歌わなくて…大丈夫?」


どうやら私の隣が凪くんの定位置らしく、凪くんはすぐ横で『ん?』と首を傾げる。


「妃奈を見てる方が好きだからね」


「そ、う…なんだ…」


楽しいのかな、、私を見てるなんて……


でも、そんなこと言ったら私だって…


「凪くんの歌ってるところ…見てみたかった」


凪くんには聞こえないだろう、という声量で呟いてみる。


凪くんが嫌なら強制はしたくないけど、凪くんの歌声、初めて聞ける!って思ってたから…


思わず視線を下げると、太ももの横においた手に……凪くんの手が重なった。
< 147 / 297 >

この作品をシェア

pagetop