御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「それで言ったら俺の勝ちだな」


「ん?どういうこと?」


「俺は妃奈と喧嘩したことがあるから」


そこまで言っても、妃奈は首を傾げて全く意味が分かっていない様子。


「喧嘩するほど仲が良いって言うだろ?」


喧嘩をせず、思っていることを自由に言い合えない関係は付き合ってもしんどくなるだけだぞ、妃奈。


なんてかなりみっともないことを思ってしまう。


それもあいつじゃなく、俺を選んで欲しいから。


ただそれだけ。


なぁ、妃奈。妃奈は俺の事どう思ってんの?




あいつのこと…どんな目で見てんの?




俺の気持ちなんて全然分かっていない妃奈は、焦ったように小さな拳を握る。


なに、今度はどんな勘違いしたんだよ。


1年の時からほぼ毎日一緒に過ごしているから、妃奈の行動パターンも当たり前のようによめるようになった。


とは言っても、妃奈はいつも俺の解釈の遥か上をいくからな。


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