御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「絶対妃奈に謝らせるから」


「……でも、」


この傷は花乃さんにつけられたものじゃない。


「あぁクラスの女子は今日にでも処理するよ」


…処理…え、今凪くん処理って言った…??


そんな聖人のような笑みで…??


「というか妃奈、これはなに?」


表情を崩さない凪くんの手に持たれているのは、白い紙。


私はその状況を理解した瞬間に、無意識に『終わった』と思った。


「待って凪くん」


「へー、どっちが勘違い女なんだか」


「……それは…」


凪くんの瞳からハイライトが消えてしまう。


「こんなものまで渡してきて、俺…手加減とかいらないよね?」


誰に対して手加減をなしにしようとしているのか、確かめたくても聞けない。




『これは俺が預かるね』と笑う凪くんを見て、絶対に凪くんを怒らせないようにしよう、と私は決めたのだった。
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