御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「は?」


舜くんの声と同じタイミングで、凪くんに肩を抱かれる。


「妃奈に触れるのは許さない」


「な、凪くん!?」


なんか力強くなっていってるような…


「それは東雲が決めることなのか?」


と…舜くん。


た、しかに……私に触れるなんて別に…ダメな事じゃない……と思う。


「妃奈はいろいろ無防備すぎる」


凪くんは私の頭を撫でて、私には牽制的なものではなく優しい視線を向ける。


「…え、?」


首を傾げた私を見て、凪くんは安心したように目を細めて笑う。


「もう行こう。」


「…う、うん」


……でも……


どうしてだろう……私の手を引いて教室の方へと向かう凪くんの後ろ姿が、少し寂しそうに見えたのは……


「凪くん大丈夫?」


気になって聞いてみると、凪くんは足を止めて振り向いてくれる。

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