勉強は恋のキューピッド。

感謝してる

【夜咲に勉強を教えてから 7日目】(入学式を1日目とする)





「夜咲のバカ!私の自由時間をー!返せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 今は午後7時。

 学校もとっくに終わって、私は1人で寮のベッドで枕を抱いて、布団を被って叫んでいる。

 夜咲は食堂に行くって言ってた。

 今頃モグモグご飯でも食べてるんじゃなぁい?

 私の気持ちも考えなさいっよ!

 ホントに、夜咲と私の相性って合ってるんでしょうね?!

 もう!文句言ってやる!

 私は食堂に向かった。









 食堂に着いた。

 ここの学園の食堂は広い。一体、何人入れるんだ?100人入れそうだけど?


「夜咲はーっと。あ、いた」

 私はバレない距離でこっそり夜咲を覗いた。

 1人で食べてる!近くには、2人、男がいる。
 
 
 確か、バスケ部の部長の“前田”と、応援団部の部長の“富田”だったはず。

 夜咲と何をしてんだろう。

 私の事も気にしてよ……。

 





 


 ポロン。

 突然、涙が出て来た。








 涙が出て来る。どんどん、どんどん、止まらない。

「うぅっ……。何で、悲しくなるの?」

 

 
 



 もう、“夜咲彼方”って、よく分からない。

 私を怒らせたり、泣かせたり。

 もういいや、帰ろ。

 と思ったその時。



「おーい、夜咲彼方。何でお前、ペアの人に勉強教えてもらってんだよ、おっかしいー!」

「俺たちが!勉強!教えてやろうか、つきっきりで毎日♡」







 えっ……………?



 私は振り向いた。

 前田と富田。何してんの?

 そりゃあ、私は勉強教えてるけど。
 
 アナタ達には関係ないでしょ?


「えっ、嫌です……。俺、帰ります……」


 夜咲も怯えてる。いいぞー、断れ!夜咲!

 でも、前田達も負けていない。

 それどころか、夜咲は前田達に負けかけている。


「いいじゃん、夜咲!あっ!もしかして、夜咲って、ペアの人が好きなの?それで教えてもらいたいの?わあ♡」

「なぁんだ、そうなら言ってよ!応援するね、頑張って♡」



 
 前田達は、どんどん夜咲を追い詰めていっている。

 私は、帰りたいのに、帰れずにいた。

 なんか、夜咲をほっとけない。

 何でだろ。























 何で、私は、夜咲をほっとけない?






 夜咲が前田に言い返す。

「いいえ、ただ勉強を教えてもらってるだけです。未来さんの事が好きか分かりませんが、未来さんには感謝しています。だから…


















あなた達なんかには、勉強を教わりません!!未来さんの方が、100億倍いいです!」












「「「ええっ?!」」」


 私と、前田と、富田。
 
 3人同時に叫んだ。

 私も、叫んだ。という事は……。




「富田。今の、誰だ?」

「前田じゃないのか?でも、女の声だったぞ。ん…………?」

 富田が私の方を見た。前田も見た。

 そして、2人は焦った表情になった。

「げっ?!おい富田!アイツって、夜咲の相部屋の人じゃないのか?!」

「前田!確かに、名札に朝色ってかいてある!もしかして、今まで俺たちが夜咲にしてた事…………」


「「全部見られたのか?!ひーっ!」」


「今日はこれで勘弁してやる!行くぞ富田!」

「はい!あ、えーっと、ミライさん?ごめんなさい!もう、夜咲には手を出しません!」

「うん、分かった!もし、また手を出したら、許さないよ☆」


「「こわーい!!」」



 ありゃ、私って、怖い前田を怖がらしちゃうほど怖いの?

 ちょっと悲しいー。



「それじゃ、行こっか」


「はい」


 私達は寮に戻った。





 

「あ、あのっ!」

 寮に着いたら、突然夜咲が話しかけてきた。

「うん?何?」







「これからは……」
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