脱獄
プロローグ
僕は就職するために、色々な会社の面接を受けた。

だが全部の面接は落とされてしまい、自分の実力が下の下であることを思い知らされる。

まあ資格が車の免許とTOEICくらいしかないからしょうがないよね……。

英語を使う会社は少ないし、ほとんど大学や専門学校卒業条件ばかり。





肩を落としながら暗い顔でハローワークから出ると、ふと一枚のチラシを見つけた。

周りをキョロキョロと確認して、アスファルトの地面に落ちていた紙を拾う。



そこには「一日働いて初給900万」という、とんでもない数字の書いてある怪しい企業のチラシ。

しかも高校卒業生でも就職できるし、英語が使える人限定の仕事。

バイトくらいしかやったことない僕の目には、鮮明な光が差し込んだ。



なんたって給料が高いし、六ヶ月に一度しか帰郷できないという僕向けの条件。

これだったら一人で生活するのも楽勝だ。



最初の頃はそう思いながら面接していたが、どうやらお金が高い理由は凶悪な囚人を見守る看守だかららしい。


もう誰も死ぬのを見たくないので、もしかすると犯罪者を更生させるには絶好のチャンスかもしれない。



僕は少しの希望を抱き、顔の表情が死んでいる面接官と対談した。

が現場を見て、それは難解であることを知る……。
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