好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
「その次の日から、ありもしない噂は流されたみたいで。男子からは軽蔑されて、女子からは都合よく言い寄られた」

「……」

「それから、僕は自分の好きなことを隠すことを決めたんだ。地元から離れた高校に通って、自分を隠した」


私と一緒だ……。

中学時代の嫌な思い出が、今も忘れられなくて、自分らしさを見失っている。

私はなんて声をかけていいのか分からなかった。

だけど、瑞樹くんは私に向けて微笑んだ。



「……萌音ちゃんの今日の姿見たら、かっこいいなって思った」

「そんなことは、」

「あるよ。自分の好きを貫くってかっこいいよ」



瑞樹くんの言葉に私は温かい気持ちになった。

かっこいい。

そう言ってもらえたのも嬉しかったけど、なにより、瑞樹くんが私に自分の気持ちを話してくれたことが嬉しかった。



「ほら。できたよ」



瑞樹くんに微笑まれて、私は鏡に目を移す。

そこには今まで見たことがないような自分の姿が映っていた。
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