君がいなくなった世界
「私も翼が好きだよ。よろしくお願いします」

私たちはその日、手を繋いで帰った。

小学校低学年の頃までしていたこととは違って、幸せを感じる。

「手、繋ぐの久しぶりだな。ももの手、温かい」

そう言われて嬉しくなって、何故か顔が熱くなるのを感じた。

「そ、そうかなっ!ねぇ、なんで手紙に自分の名前も相手の名前も書かなかったの?」

「え?書いてなかった?書いたつもりだったんだけどな……。まぁ、結果ハッピーだからそれでいいんじゃない?」
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