君がいなくなった世界

嘘と現実

今日は土曜日。私は明日、翼とデートの約束をした。

まだ付き合い始めてすぐだけど、デートなんて早いかな?

頭の片隅でそう感じるけど、付き合う前から一緒に帰ったり二人で出かけたりしてたからなんの抵抗もないし、むしろ日常なんだよなって思う。

それでもお出かけにデートっていう名前がつくとドキドキして、にやけが止まらない。

勉強してるけどよそ事ばかり考えてしまって、どうしようかと思っている時。

喉が乾いていた事を理由に、二階にある自分の部屋から出て階段を降りてリビングに向かうと、茶色い木のドアの向こうからお母さんの話し声と泣き声が聞こえる。

感動系のドラマ見てるのかな。

ふわふわした気持ちのままリビングのドアを開けると、テレビはついていなかった。
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