殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

「……殿下、恋をしたのですね?」

 マドレーヌが嬉しそうに聞いてきたので、うんと頷いた。

「あらあら……ふふっ……良かったですわね。憧れていたのでしょう? 告白なされば良いのに」


 楽しそうに言うな、会うこともままならないのに。幼い時から器用で、なんでもできる方だと思っていた。それは勘違いだったけど、欲しいのはカテリーナの心なんだ……

「カテリーナが誘いに乗ってこない、断られる一方だ、心臓が持たない……」

 泣き言まで言ってしまう。

「お手紙で告白されればよろしいのでは?」


「手紙ではなく直接言いたい……私がバカだったと詫びたい。その後に気持ちを伝えるのが筋だろう……」


「真面目ですこと……少し強引に行った方がいいかもしれませんね……カテリーナ様は、その……ご本人は全く気づいていませんが……とてもモテますのよ? 側にいるのがブラッド様だから、安心できるのです。ブラッド様を差し置いていつ、どこで、誰がカテリーナ様をゲットするのでしょうか……ふふふ、頑張ってくださいね、ウィル」



 幼い頃呼ばれていた愛称で話を締められた。マドレーヌから幼馴染として頑張れと言われたようだった……
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