殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

 パーティー当日は殿下が我が家に迎えに来ました。ドレスをプレゼントしたいだの、アクセサリーがどうのとしつこくて困りました。
 要りませんとお断りをして、勝手に贈ってきても送り返しますからね! 一緒に行きません! とお断りをしたら、ショックを受けていました。


「そのドレスとても似合っている、とても可憐で美しいよ。カテリーナ受け取ってくれる?」

 ドレスやアクセサリーのような重いものではなく、可愛らしいブーケだったので、喜んで受け取りました。ゴージャスな重い花束ではなくて、小ぶりのブーケのほうが断然可愛いですね。パステルカラーを基調としていて好みのブーケでした。


 マドレーヌ様の邸に着くと公爵夫妻が出迎えてくださいました。そしてオーウェン様を呼んで下さりました。

「殿下、お久しぶりです。この度はわざわざこのような会にご参加いただきありがとうございます」

 オーウェン様が挨拶をして殿下も会話を楽しんだ後私を見た。

「もしかしなくても、カテリーナか?」


 懐かしそうに嬉しそうに、再会のハグをしてくださりました。

「オーウェン様、覚えていてくださったのですね。嬉しいです」

 頬に軽いキスを落とされたので、私も軽くキスを返しました。小さい頃は気にしませんでしたけど、大きくなってからは、大人の男性にハグをされるのもキスをされるのもお父様以外は初めてでした。

< 68 / 123 >

この作品をシェア

pagetop