人気モデル×新人モデル〜人気モデルは新人モデルに恋をする〜
撮影が始まる直前。

いつも通り頬を叩く。

それを遠くから冬夜さんが見ていた。

冬夜さんと冬夜さんのマネージャーが何かを話している。


「あの子が冬夜が一目惚れした子？」

「はい」

「出来れば恋愛は控えてほしいけど」

「仕事は今まで以上に頑張ります。でも、俺はあの子を守りたい」

「あの子、割と強い子に見えるけど」


「この世に強い人間なんていないですよ」

「頬を叩いて自分に大丈夫と言い聞かせて、一人で立とうとする」

「それも格好いいけど、翠ちゃんが転んだ時に手を貸すのは俺がいい」

「悪いけど、絶対に諦めてあげない」


マネージャーがため息をつく。

「お前に目をつけられたあの子は気の毒だな」

「そうかもしれないですね」


そんな会話は翠には届かない。

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