隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 ぐるぐると悩む暇など与えぬかのように、シーグルードが愛撫を始めてきた。
 ドレスの上から胸を揉みしだかれ、スカートの裾から素肌に触れてくる。
 乱れたドレスの隙間から、シーグルードの手がアルベティーナの柔肌を優しく撫で上げる。
「んっ……」
「そのような可愛い声を出すのは、やめてくれないか? 我慢ができなくなる……」
「シーグルード様は、初めから我慢などする気がないのでは?」
 それもアルベティーナにとっては、最大の皮肉のつもりだった。
「やはり君は、少し強引な方が好きなようだな……」
 彼の手が触れる箇所、舐られる箇所、吐息がかかる箇所。全てがアルベティーナを快楽に導いていく。
 このままではいけないという想いと、彼に全てをまかせてしまおうという気持ちが交差する。
 淫らな音を立てられてしまったら、アルベティーナから思考を奪ってしまう。シーグルードはそれをわかっていてやっているのだ。
 アルベティーナが余計なことで悩まないように、と。ただ、与えられる庇護の下で心穏やかに生きていけるように、と。
「んぅ……っ、ぁっ、あんっ」
 室内にアルベティーナの嬌声が響くまで、そう時間はかからなかった。
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