隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
 アルベティーナはすでに息があがって頬も火照り、身体中に熱を溜め込んでいた。
「アルベティーナ」
 また、ルドルフに見下ろされてしまう。彼は右手の人差し指で、彼女の頬をつつっと撫であげる。
 ふるり、とアルベティーナの身体は震えた。それはけして寒いからではない。身体の奥がきゅんと疼くからだ。
「まだ、動くことはできなさそうだな……。ったく、新しい薬を使いやがったな。くそったれが。だが、安心しろ。まだ、挿れたりはしない。お前には、もうしばらく純潔のままでいてもらう必要があるからな」
 ルドルフが何を言っているのか、アルベティーナにはそれを判断する思考は残っていなかった。早くこの熱と疼きから解放されたくて、恥ずかしいと思いながらも、彼が与えてくれる快感に身を任せるしかなかった。
 白んだ世界がアルベティーナに襲い掛かる。目尻からじんわりと溢れる涙に、苦しそうに顔を歪ませたルドルフが優しく口づけた。
 それがなぜか安心できて、アルベティーナは意識を手放した。
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