サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
「ありがとうございます。それでは・・失礼」
シオンが目を伏せて、かごを受け取り、神殿の玄関を開けて、入ろうとした時

「待てよっ!!!」

イリスが叫んで、
ガバッとシオンの腕をつかんだ。
イリスが迫る、カベドン状態になった。

「こっちの話を聞けよ!
話を聞くのが、アンタの仕事なんだろうが!!」
シオンは驚いたように、壁に背中をぴったりとはりつけている。

「アタシが出禁っていうのは、
わかるけどさ・・・でも・・・」

イリスの目から、
つつっと涙がこぼれ落ちた。

「こんなぐちゃぐちゃな気持ちになっちゃって、
自分でもどうしたらいいかわかんないよぉ」

両腕を垂れているシオンに、イリスは抱きついた。

シオンは、大樹のように動かず、
その瞳は困ったように、イリスを見つめている。

「くそっ、なんか言えよっ!!」

イリスは思いっきり、シオンの足を払った。

その体が崩れ、神殿の壁にそって座り込み、
持っていたかごから、はちみつ酒の瓶が転がり落ちて割れた。
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