この世からログアウト
……え?


いつの間にか女子トイレの周りに人だかりが
出来ていた。



「…ねぇあんたうちの美羽に何した?」



1人の女子がトイレに入ってくる。
聞きたくも無い噂が耳を通過する。



「やっぱ幸生ってやべぇヤツだな。」


「最低ー」


「元ヤンって怖いねー!!」


「人の恩仇で返しやがって…」



違う……違う違う。わたし…違う。



「あ、あのっ」



私が手出を伸ばすと



「美羽に触んな!!極悪人!!」


腕を振り払われた。


“極悪人”……ね。

私が1人の女の子に蹴られそうになった時



「わわわっ!!!!押さないでよ〜
女子トイレ入っちゃうから!!……あ。」



優希くんが女子トイレに押し出されて来た。


「ゆゆゆ優希くん!?

んん“っ ねぇ〜優希くん。
美羽、幸生ちゃんに手首ひねられたぁ〜。」


「…っ そんな事。」



「私見てたよ!!」「おれも!」「私もー!!」




否定の声が私に突き刺さる。



どうしてだろ、なんで1番知られたくない


優希くんにまで知られて、ほんと恥ずかしい。

私が覚悟を決め下を向いた時。



「あいちゃんはそんな事しない!!」


「……え?」


「優希くん!!で、でもぉ〜美羽は本当に…」


「違う!!なんでみんな分かんないの?

あいちゃんは優しい子だって。


いつも皆んながホームルーム終わった後
急いで相手の机蹴っ飛ばすでしょ?


それをいつも、放課後残って直してくれる。


教室の花も、水やり当番
放ったらかしにしてる人が居たら

あいちゃんが進んでやってくれる。


そーゆう優しい子なの!! 」
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