セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?
「総務部長がわざわざ動かなくても、後輩の一人くらい俺が相談に乗るんで大丈夫です」
ヨウの言葉に続けて
「まだ何も決めていないので…失礼します」
と江藤さんに伝えて私達はエレベーターを降りる。
「通勤は近い方が楽だと思うけど、ある程度の時間をかけてオンオフ切り替えの時間が必要っていう人もいるから、いろいろよね」
「青田さんはどのくらいかかります?」
「30分くらいね。電車に乗っているのは15分ほど」
ベストと言える距離かもしれないよね。
「俺も5駅だから電車は15分も乗らないくらい」
「ちょっと考えます」
給湯室の管理は週替わりで今週はDiamanteの企画広報部、来週はPietraの企画広報部が当番となるらしい。Pietraが新しいことをやり始めて忙しいだろうと、今日はDiamanteの内田さんが私に給湯室で朝と夕方にやることを教えてくれた。
「これだけでいいから。お茶くみなんてしなくても、各自好きに飲み物を入れるしね。ここの冷蔵庫も使っていいから。名前だけ書いておいて…ほら、こうやって」
温かい飲み物を入れる人もいれば、こうして炭酸水など好みの飲み物を冷蔵庫に入れておく人もいるってことね。チョコなんかも付箋に名前が書いて入っている。
「で、坂根さんは桐谷くんを追いかけてうちに転職したの?」