エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 部屋ではなく棟ごとの貸し出しで、畳の香りがする上品な部屋も、四方を竹の壁で囲まれた庭も、その庭で存在感を示している露天風呂も、すべて自由に使っていい。

 ちょっとした家を借りたといってもおかしくはない豪華さには眩暈がした。

 荷物を部屋の隅にまとめ、庭のほうからちょろちょろと水が流れる音を聞きながら、ひとまずお茶にする。

 黒い漆塗りのテーブルに置かれていたお茶はパックではなく、ちゃんと茶筒に入った茶葉だった。

 添えられていた手のひらサイズの説明紙を読むと、玉露だと書いてある。

「このお茶、売店で買えるみたいだね」

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