エリート航空自衛官の甘すぎる溺愛で囲い娶られました~敏腕パイロットの25年越しの一途愛~
 グラスを置いたのを合図に立ち上がり、卓上のレシートを三宅に押しつけた。

「奢りだろ」

「マジか、冗談だったのに。だいたいお前、ほとんどなにも教えてくれてないぞ」

「残念だったな」

「明日空上げ一個くれたら手を打ってやる」

「誰がやるか」

 空上げとは航空自衛隊の昼食に出る唐揚げを言う。

 呑気に取り合いをしている時間がないのはこいつも知っているだろうに、相変わらずよくわからない男だ。

 それでもなんとなくつるんでいるのは、理不尽を要求される学生時代をともに過ごした仲間意識があるからだろう。

 もしくは、あれこれ話すと少し心が軽くなるような気がするからか。

「三宅」

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