死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


物語の世界では、ほとんどはハッピーエンドで終わるのが多い。


俺らの物語は、多分どちらでもない。




2年前と変わらず、今を精一杯全力で生きている。




俺の両親は、もう何も暴力もしなくなった。俺が、言えるようになったから。



「おーい爽玖」



俺の父親が酔っ払いながら言う。



「なに?もう女遊びとかやめてくださいね」 

俺は他人事のように言う。


「しねぇよ!お前成長したななんか」

俺の父親は、俺を殴ったことも覚えてないらしい。まじでムカつく。が、もう許すことにした。

何も父親に褒められても何も嬉しくないんだが。


このような話を交わしたり、そんな感じで、俺はちゃんと言葉を言えるようになったし、今でも辛いこととかはあるが、彼女と一緒に。とはいかないけれど、今を生きている。


でも、心という女子がよく話しかけてくれるようになった。どうやら友達に勝手になったらしい。 


俺は、多分高校生の時よりも、もっと笑えるようになったし、表情が豊かに慣れた気がする。


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