死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
爽玖くんは、変わらず無表情のまま、少しの間黙って考えるように下を向いた。

「いじめ…られて、ますかねぇ。」


「……。」

やってしまった。こういうの、聞かれたくない人もいるのに。私はなんてことを。

「ごめ、ごめん…。。。」


必死に謝る。
 

「なんで泣きそうなんです?別に大丈夫なんで」


「ほ、ホント…?」


「はい。夏菜さんは?」


「えっ」

私も黙っていた。何も言えなかった。

「いや、えっと…また、違う…いじめ、?いじり、みたい、な…。」


「いっしょ。」


「え?」


「同じですね」

爽玖くんはそう言うと、目を細めた。

きっと彼はわらっている。笑ってないけど、目ではニコッと笑いかけてくれているような気がした。

「空、きれい」
爽玖くんはまた目を細め、窓を見た。

「うん。」
私も見た。


私は、中学生のとき、いじめ…というのか分からないが、悩んでいたときがある。


その心の後遺症がまだ癒えていない。



< 71 / 195 >

この作品をシェア

pagetop