死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

国上は、いや近藤は、いじめられっ子だった。


いじめ主犯のやつは、とても強くて、誰も逆らえず、先生にも言えなかった。私も。

言ったら、まず殺されるくらい思ってた。



「よっはると。」


「お、おはよう……」

脳裏に記憶が蘇る。


「はぁー。昨日、屋上から落ちたか?ま、怪我してないんなら、落ちてないんだな」


「そりゃ…そう、だよ」


「あ?お前なんで死なないの?」


「…」


「お前みたいなデブ、別にいらないんじゃん。ほらはやく。今なら先生いないから」


朝。今日も近藤はいじめられていた。

言葉の暴力。

そんないじめだった。

だから、先生からも家族からも誰かが言わない限り、バレることはない。

私達は知っていた。


「やめ…てよ」


勇気を持って、近藤が言ったときもあった。

「あ?今なんて?」


「………なんでも、ない。」

怖いだろう。言えなくて当然だ。まだ小学生なんだし


「はははっお前何このタイム。デブすぎ」

体力測定の日。またいつものように馬鹿にされていた。

近藤は、別に太ってもなかったし、平均的な体だったのに。それに、別に遅くない。特別速いわけでもなかったけど。


「やめ、なよ」

気づいたら口に出していた。体が震える。
皆が私に注目している。近藤は泣きそうになっていた。

だめだ。なんで言ったの?こわいよ…。


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