先輩!好きです!
夏休みがもう少しで始まるというころ

私の高校では部活の勧誘が行われていた



「はあ、みんな部活楽しそうでいいな〜

こんなふうに楽しかったらよかったのに。」




特に何もすることがなかったので、学校中をウロウロ歩いていた


一階の廊下を歩いていて、次はどこに行こうかと

立ち止まっていたとき、チャラそうな上着を

羽織った男子が前から近づいてきた



「かわいいねえ。どう?演劇部入らない?」

「えっ...!?」



急に話しかけられたのでびっくりした。

目がぱっちりとした二重で、ふわっとした髪のとてもかっこいい人だった。

ハートがぐさっとやられた

学年別に色分けされた靴を見てみると、どうやら2年生らしい。


「ここらへんでナンパしてたんだよー

      良かったら見に来てほしい!!」


「行ってみます...!」



ここで断るわけにはいかなかった。

だって先輩がかっこよかったから笑

それから私は先輩の後ろをついていった



「俺以外にさー、勧誘しているハルミチって

やついるんだけど、全然一年生連れて

こないんだよー ダメだなー。

俺みたいにナンパしていけばいいのに笑笑」



「笑笑」



いや、先輩はかっこいいからナンパ上手く

いくんですよ。たぶん普通のひとがやっていたら

着いていきませんよ!



「着いたよ~!ここが部室!

これから演劇がはじまるから待っててね〜」


「分かりました」


ここが部室なのかー。

演劇部の部室は、空き教室が部室になったような感じだった。

教室の端には、ペンキやらダンボールなどが置いてあった。舞台の道具になるのかもしれない。


「では、演劇をはじめます!

部長のゆきです。よろしくお願いします。

舞台は......で、主人公は....です。

......それではお楽しみください。 」


演劇がはじまった。教室が暗くなった



さっきの部長がでてきた




教室で部長の声だけが響く

この物語の世界に連れて行かれるようだった




ナンパしてきた先輩もでてきた


さっきのヘラヘラした態度は

どこにいったのだろう

瞳の色が違う

この場の雰囲気を変えるような
圧倒的な演技

この人は圧倒的に他の人とは違うものが
あった



すごい

かっこいい

私も....

私も...!

こんなふうに

できるようになりたい
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