意地悪王子には騙されない。
不敵に微笑みながら李音が口を開く。


李音「僕が真優と会ってない間、
何にも真優のこと知らなかったと思っ
たら大間違いだよ♪」

真優「も、もう頭痛いよ」

李音「まだ酔ってる?ちゅーしよっか。僕に移せば治るかも」

真優「李音くんが原因だから大丈夫」

李音「そっか」


ふふふと遊ぶように微笑む李音。

はぁとため息をこぼした真優。


真優(寝起きでよかった……)


やや寝ぼけているから騒いでないものの、昼だったら大声を出しているところだった。


李音「ねぇま〜ちゃん」

真優「ん?」

李音「真優っていい名前だよね」

真優「急にどうしたの……?」

李音「ふふっ、前から思ってたんだ。まぁちゃんらしいなぁって」

真優「そ、そっか……?ありがとう。私も気に入ってるよ」

李音「それはよかった」


今度は幼い少年のように微笑まれて、きゅっと心を掴まれたような感覚になる。

気がつけば、ドクドクと心臓の音も増して行っていた。


真優(な、何これまた……!?私、もしかして李音くんにドキドキしてるの?)


胸を抑えても、速さは変わらない。


真優(いやこれは違う、きっと嘘だ。私が、こんな意地悪変態王子の遊びに騙されるはずがないもの)

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