【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 そんな中レクシオールは、ふと何か思いついたように、視線を遠くに向ける。

(どこからどこまでがあいつの狙いだったのだろう。リュミエールと出会った時から、か……? まさかな)
「どうかしましたか……?」
「お前は気づかなかったか……いや、何でもない」

 リュミエールの心配に首を振ると、レクシオールは前に進み出す。
 しばらくすると数人の衛兵が、奥へと続く道を前に参列者をより分けているのが見えた。

「では、私達はここで」
「お二人の晴れ姿が見られないのが残念でございますが、失礼します」

 侍従たちはこれ以降の入場を許されない。パメラとケイティは連れ立って控室の方に移動してゆき、残された二人は謁見の間へと引き続き移動する。

 その間、リュミエールはレックスと出会ってからの事を思い出していた。

 婚約破棄、フレッドやシスター・ロディア、パメラとの出会い。ダンスの稽古。小公爵や、旅立ったはずの彼の父との不思議な会話。初めて好きと言って貰えたこと。お茶会での恐ろしい出来事やフィースバーク家の没落。レグリオとアリエステルの手掛かりを見つけたこと。馬車の襲撃事件。

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