性悪女の末路
彼女のティーン時代は天国だったが、一人だけサヤカの天敵も存在した。

その相手は、スヨンという在日韓国人で、小中学校が同じだった女子。

サヤカの暮らす自治体では、在日韓国人は殆ど居らず、当時は今のように、日本人が韓国人に憧れるような時代ではなかった。

それにも関わらず、スヨンはモテモテだった。

モテるというだけで、サヤカは何故、そこまでスヨンを嫌ったのか。

それは、国籍云々の話ではなく、サヤカ同様、容姿が武器というキャラが被っているのが気に食わなかったのだ。

しかも、最初に人気があったのは、サヤカではなくスヨンのほう。

実は、サヤカは生まれつき気が強かった訳ではない。

彼女をつけあがらせたのは、同じクラスの、気が強く、やはり陰湿な女子だった。
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