イケメン総長とキケンな関係 ~出会いは突然の入れ替わり⁉ 愛はそこから始まった~
「解いてやれ」
龍輝くんとの駆け引き。
そうして出した北邑さんの答え。
それは。
私の手足を縛っているものを解く、ということ。
そして。
伝えた、北邑さんは。
そのことを海翔さんに。
海翔さんは。
「オッケー」
そう言いながら私の目の前に座り。
解いた、私の手足を縛っているものを。
その瞬間。
なった、自由に。
手足が解放され。
そのとき。
実感した、改めて。
手足の自由が利く。
それは、こんなにもありがたいことなのだと。
「さっさと(勝負を)済ませて
連れて帰る、茉蕗のことを」
龍輝くんは厳しい表情をしたまま。
初めて見た。
こんな表情をしている龍輝くんのことを。
私が知っている龍輝くんの表情。
それは、やさしくて穏やかで。
そう感じている。
それだからといって。
思っているわけではない。
厳しい表情がダメとか。
ただ。
驚いている、龍輝くんの厳しい表情に。
それは確かで。
慣れていない、龍輝くんの厳しい表情。
それだからか。
戸惑っている、少しだけ。