イケメン総長とキケンな関係 ~出会いは突然の入れ替わり⁉ 愛はそこから始まった~
「茉蕗ちゃん、
そんなにも大事に思わなくても大丈夫だよ。
みんな逃げ切ることができたから」
固まってしまっている、完全に。
どうなっているのか。
今の私の表情は。
たぶん。
している、ものすごい表情を。
そうに違いない。
だけど。
そんな私をよそに。
海翔さんは満面の笑みで右手の親指を立てている。
たぶん。
思っている、海翔さんは。
『蝮』も『白龍』も。
全員、逃げ切ることができて。
誰も捕まっていない。
だから大丈夫だと。
だけど思う。
海翔さん。
そういう問題ではないのではっ⁉
“ガチャッ”
心の中で強くそう思っていると。
ドアが開いた音がした。
帰ってきた、誰かが外から。
誰か、ではない。
わかっている、本当は。
誰が帰ってきたか。