オフクロサマ
買えなくなるというのはすぐに売り切れるということだろうか?


智香はぼんやりとそう解釈をして頷いた。


どちらにしても、こういう村では夜が早いことはわかっていた。


「じゃ、また明日暇があればこの村を案内してあげるよ」


「本当ですか?」


裕貴が食いつく。


祭りだけではなく、この村について教えてもらえるのはありがたい。


「あぁ、もちろん。じゃあまた夜にね」


「ばいば~い!」


この村に入って最初にいい人に出会えてよかった。


智香は心からそう思ったのだった。
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