幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない

 私は辛くて、逃げ出した。
 家に向かい、走り出した。

 翌朝、玄関に私のバックがあった。
 朝早く、奏ちゃんが置きにきたらしい。
 私は、泣いて腫れた目を冷やしながら、バックの中の携帯を急いで開けた。
 着信が木下さんから夜にあった。メッセージも2件。
 そうだ、お店の連絡しないといけなかったのに。
 謝罪とお任せしますと連絡する。

 バックに喫茶店のメモが入ってる。
「昨日はごめん。今日会いたい。連絡待ってる。 奏」

「奏ちゃんのばか……。」
 また、涙が出てくる。
 あそこまで言わせて、私をどうしたいの?好きって言ってくれないなら、もうどんな答えも聞きたくない。
 
 そうだよね、葉月もいい加減切り替える歳だと言ってた。木下さんと付き合ってみるのもいいかもしれない。少なくとも、大学時代の彼よりは好きになれそう。仕事振りも知ってるし、性格もいい。尊敬できるから。
 奏ちゃんへのこの想いは、もう長すぎて何が好きなのかわかんない。執着してるだけなの?兄?兄は2人もいらない。最初から、兄じゃなかった。それは確か。

 急いで、身支度し家を出る。
 今日も夕飯要らないと母に告げて、呆れた顔をされた。私が様子変なの、気づいてる。でも、何も言わない。ありがとう、ママ。
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