幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
 驚いて、固まった。
 奏ちゃんが、私を高校のときから意識してたと言ってるんだよね?
 
 「ほんとに?私のこと好きなの?」
 「少なくとも、さっきのやつには絶対お前をやりたくないと思うくらいには好きだよ。」
 「それって……どうなの?」

 奏ちゃんが、また私を抱きしめた。
 「緑」
 黙っているから何だろうと上を向く。
 すると、陰が下りてきて奏ちゃんの顔が近づいてきた。
 
 キスされた。
 ふわっとして離れたら、今度は強く、そして口を開けろと催促される。
 酔いも手伝い、されるがままに深く口づける。
 はあっと息を吐くと、そのまま抱き上げられた。

 「え?奏ちゃんなに?」
 「今日は帰さない。泊まることになってる。」

 そのまま、寝室へ連れられていく。
 懐かしい、奏ちゃんの部屋。子供の頃、よく遊んでた。
 ベッドに下ろされると、また口づける。

 「緑、お前を俺のものにする。誰にもやらない。決めたんだ。いいよな?」
 両腕を伸ばして、奏ちゃんの首に巻き付ける。

 「嬉しい。奏ちゃん大好き。ずっと好きだった。夢みたい。」
 「俺は、大学に入ったときから緑がそばにいなくなって、その頃から本当は自覚してた。ごめんな。もっと早く伝えれば良かった。好きだ。」

 奏ちゃんは優しく私に触れると、一気に服を脱がせた。
 朝まで、奏ちゃんと何度も身体を重ね、今までの分を取り戻すように抱き合った。
 窓の外が明るくなる頃もまだ眠ることはなかった。

 奏ちゃんに揺すられて、何度も耳元で緑と名前を呼ばれる。
 声もかすれて、奏ちゃんにしがみつく。
 気づくと眠ってしまっていた。

 
< 23 / 36 >

この作品をシェア

pagetop