幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
「だめ、下にいるんだから。」
「あー、緑、俺やっぱりお前がいないとダメだわ。」
「は?何言ってるのよ。」
「昨日もお前が飲み会とか、本当に心配で仕事が手につかない。俺、やっぱおかしくなったのかも……。」

 そう言いながら、服の上から胸を触る。
「あ、だめだよ。」
「今日は、昨日の分もおかわりするからな、先に寝るなよ。」
 服の下に手が……。上から奏ちゃんの手を握る。
「あ……明日も仕事だから、あんまり……。お腹すいたの、奏ちゃんのビーフシチュー大好きだし。」
 後ろからぎゅっと身体を抱きしめられる。
「まだ、子供は我慢する……お前を独り占めする時間が欲しい。仕事辞めて店入れよ、昔みたいにふたりでやろう。あいつの下で仕事させるのマジで嫌。」
 奏ちゃんは、木下さんを警戒してる。
 会って話すといい人っていうのが分かるから。
 とはいえ、私を信用できないのかしら。
 式はまだだけど、一応籍入れたんだけど。
「奏ちゃん、オオカミだったんだね。私、体力ない訳じゃないけど、会社で眠くて……。」
 キスをすると、離してくれた。
 夕飯をよそってテーブルに座る。
「店の仕事好きだけど、会社も好きなの。お願い。将来場合によってはどうするか考えるから。」
 今は、仕事が楽しい。辞めるなんて考えられない。
「子供がいないうちに、お前と店やりたい。最近土日店にお前がいるとやっぱりいい。店始めた頃を思い出す。月曜が嫌いになった。」
 
「……奏ちゃん、学校行きたくない子供みたいだよ。」
 私の顔を見て、ウーッとうなってる。
「会社でお前の周りの虫が気になってしょうがない。だいたい最近のお前、綺麗になったし……。」
 恥ずかしいこと平気で言える人になったのね。ホント別人。
「信じてくれて大丈夫。奏ちゃんへの片思い何年寝かせたと思ってるのよ。失礼だわ。どれだけ好きだと思ってるの。」

「……その顔反則だ。先にお前を食べる。」
 こちらに回ってきた奏ちゃんに、スプーンを持つ手を握られて、そのまま抱き上げられる。キスしながら、ベッドへ。

 ああ、今日も夕飯は夜中になりそう。
 

 
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