Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~

[2]夏の蝶

中学2年生の夏頃からだったと思う。

あたしがヨウと仲良くなって、家でも遊ぶようになったのは。

2年連続で同じクラスになって、急速に仲良くなった。

振り返ると当時から予感はあった。

今後、この人とは恋愛に発展するかもって。

だって…。

中学生で男の子の部屋に招かれる。

期待しても、おかしくはないよね?

家に通うようになって、最初は2人で遊んでいた。

ある時ヨウが、弟も呼んで遊ぼうって言った。

それからは、弟のツクシくんも一緒に3人でも遊ぶようになった。

ヨウの部屋で3人、色々なゲームをして遊んだ。

くだらない事もたくさん話した。

ヨウとツクシくんは年齢が1歳差ということで話が合うのか、仲の良い兄弟だ。

あまり顔は似てないけど。

その輪に混ぜてもらって、楽しい時間を過ごした。

3人で遊び始めたことがきっかけで、ツクシくんとも仲良くなった。

そして…。

ツクシくんとも、2人きりで遊ぶようになった。

カラオケ、ボーリング、ゲームセンター、ツクシくんの部屋…。

色々な場所で遊んだ。

ツクシくんは頻繁に、あたしに対してサプライズをしてくれた。

『ミツバちゃん!これ!』

公園でキャッチボール…からの、プレゼント。

『ミツバちゃん。イリュージョン!』

マジックを披露すると言って、手から出てきたのはプレゼント。

『はははっ!ミツバちゃん!ははっ!』

ビックリ箱を仕掛けられて怒ったら、プレゼントも中に入っていた。

ゲームセンターに行った時。

クレーンゲームの景品のぬいぐるみを、あたしがトイレに行ってる間にこっそり取ってくれた。

何度も何度も、取ってくれた。

なんであたしの欲しいものが分かるんだろう?

次第に…。

ツクシくんと遊ぶ時間の方が長くなっていった。
< 10 / 52 >

この作品をシェア

pagetop