Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
あの夏の日以降、あたしはツクシくんを極力避けるようになった。

会ってしまうと、心が動きそうだから。

夢みたいな夏の日の出来事は、暑さのせいだったってことにした。

そう思わないと、決心が揺らいでしまいそうだった。

高校1年生の時は、彼が中学生だったおかげで、あまり会わずに済んだ。

ヨウと家で遊ぶ時だけは、顔を合わせてしまった。

それはどうしようもなかった。

しかしツクシくんは、ヨウの前では普段通りの様子で過ごしていた。

さすがに、堂々と実の兄の彼女を奪おうとはしないみたいだ。

ツクシくんがあたし達と同じ高校に入学してからは、少しだけ遭遇率が上がってしまった。

それでも、会わないように気をつけた。

気をつけていたのに。

ツクシくんから3回も告白をされた。

そのうち、1回はキスもしてしまった。

あたしの中で…。

悪い考えが頭をよぎる。

悪魔の囁きが聞こえる。

もし、ツクシくんに告白をしていたら?

先に、ツクシくんから告白をされていたら?

ヨウと別れちゃえば?

でも…。

ヨウと別れて、ツクシくんと付き合うとなれば。

通っている高校も同じ。

住んでいる家も同じ。

内緒にしておくには限界があるから、絶対に傷つけてしまう。

あたしは、ヨウを裏切れない。

だけど、ツクシくんを突き放せない。

2人の優しさにつけ込んで、微妙な関係のままだった。

微妙な関係が1年以上も続いている。

最低だよ、あたし…。

『うっうっ…うぅ…。』

泣く資格なんてない。

ないけど…。

涙が止まらない。
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