しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

9.彼の変化

「アリー!」

丸葉萩駅前で、携帯電話を操作をしていた女性は、自分が呼ばれたことに気づいて、視線を上げた。

彼女は、夏らしく涼しげな紺色のシフォンシャツを着ていた。

風がそよぐと、胸元のレースのラウンドネックが揺れる。

職業上あまり着ることができない少し短めのスカートからは、すらりと長い脚が伸びていて、彼女を横目で見とれる異性は、少なくない。

「お待たせー!アリー。」

そう言った女性は、長い金色の髪を、高めの位置で結わえており、嬉しそうに緑色の瞳を輝かせた。

「久し振り、キャシー。」

アリーは……新橋亜犁安は、それまで手に持っていた携帯電話を、ショルダーバッグにしまいながら、大学院時代の同級生に挨拶をした。

「じゃあ、行きましょうか。」

そうキャシーに言うと、亜犁安は、自分の住み慣れた街を案内しだした。


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