「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~
 ローテーブルと長椅子のセットがあって、執務机があって、天蓋付きの寝台がある。その寝台も、年代物というくらいで、特に豪華な作りではない。

 奥はテラスになっているのか、一面ガラス扉である。ただ、いまはカーテンで閉ざされているけれども。

 朝に目覚めてカーテンを開けたら、室内が朝の光に溢れるって素敵じゃないかしら?
 残念ながら、方向音痴なので太陽がどちらから上がるのかがわからない。だから、実際にはこの部屋が朝の光に溢れるのかどうかはわからない。

 それはともかく、一番目をひいたのは壁一面の本棚である。

 棚が何段あるのかしら?とにかく、本、本、本、って感じで本がいっぱい並んでいる。

 素敵だわ。

 無意識の内に、本棚の前まで行ってじっくり見ていた。
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