愛しているから 好きにしろ

三橋の家


 結納をすることが決まり、準備に入った。

 といっても、私のすることも、実家のすることもすべてお屋敷の指図に従って準備するだけ。

 今日は、お屋敷に呼ばれて衣装合わせ?とかするらしい。

 土曜日なのに、先輩はお仕事。ご苦労様でございます。

 私も、土日はあまり関係ない仕事なので、取材が入ることもある。

 ただ、榊さんが直属上司にしばらく土日は私の仕事を入れないように言ってくれて、結納や結婚の準備をするよう配慮してくれた。

 というわけで、久方ぶりのお屋敷。

 「奈由様~いらっしゃいませー」

 女中頭の祐子さんが玄関に顔を見せた。

 「祐子さん。今日はよろしくお願いします」

 ぺこりと頭を下げ顔を上げると、祐子さんの目がなんだかうるうるしてる?

 「やっと、やっとですねー。昨日は大奥様とうれしっくって大騒ぎしてしまいました。さあ、お入り下さい」

 そう言うと、私を先導してずんずんと歩いて行く。

 階段を上り、あっちへ行き、こっちへ行き……また、曲がった。

 うーん。絶対しばらくは迷子になると思うんだよね。

 ドアも同じ作りだしさ。

 ドアの前に何かプレートつけたらダメなのかな?
 
 でも、このドア飾り彫りがあって、傷とか絶対つけられないよね。

 着いたらしい。大きな観音扉の前に立っている。

 祐子さんが扉を両手で押すと、明るいサロン?のようなリビングに出た。

 二階にもこういう部屋があったのか。


 とりあえず、こちらに。と言われて、ソファに座る。

 すると、おじいさまとおばあさまが左側の扉から入ってこられた。
 
 「おはようございます。おじいさま。おばあさま」

 頭を下げて、顔を上げたらびっくりした。

 二人とも、目の前に立っている。

 そして、左手をおじいさま。

 右手をおばあさまが握っている。

 え、えーと。これはどういう?

 

 
 
 
 

 
< 114 / 151 >

この作品をシェア

pagetop