愛しているから 好きにしろ

達也side

 平野奈由は同じマンションで出会った3年生。

 今年からここへ越してきたらしい。

 このマンションは学生向けとは言いがたい。

 割と新しく、社会人や広い部屋には家族で住んでいる人もいるくらいだ。

 彼女がどうしてここに住んでいるのか聞いたら、社会人の姉の部屋と聞いて納得した。

 俺はなぜここにいるのか。彼女は聞かなかった。

 そこも、ちょっと天然な彼女らしいが、俺は1人暮らしだが、この階に住んでいる。

 バイトで入っているファミレスはチェーン店だが、親父が経営している。

 そのせいで、忙しいのにチーフを任された。

 まあ、この店の形態については詳しいので大変ではないが、結構時間的に入らないと管理できないので学生生活との両立がなかなか大変だ。

 そろそろみんな就活の時期だが、俺は就活しない。というか、できない。

 親父の跡は兄貴が継ぐので関係なかったはずだった。

 ところが、ファミレスを含めた飲食関係会社の親会社がミツハシフードサービスという会社で祖父が会長をしている。

 実質の経営者だ。
 
 祖父には小さい頃から目をつけられていた。

 兄と年が少し離れていることもあり、父が兄の習い事や生活を支配していた。

 その頃まだ小さかった俺は遊び相手を探しに祖父の家へ行っていた。 

 祖父は、親会社であるミツハシフードサービスの会長だ。

 俺が割と人なつっこいことや、口が達者なこと、まあそこそこ勉強もできることを見抜くやいなや、親会社の跡取り予定の叔父のもとに俺を高校生のうちからバイトに入れた。
 


 

 
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