【改訂版】かあさんの歌〜母子恋愛
第５話
時は流れて…
７月の第２金曜日のことであった。
この日の午後、テレビのニュースで四国地方が梅雨明けしたとみられると伝えられた。
松山市内は朝から気温が35度とうだるような暑さであった。
街中《まちじゅう》に、みんみんゼミの大合唱が聞こえていた。
この時、アタシたち夫婦の関係は一気に冷めた。
話しは、数日前のことであった。
ダンナは『出張が入ったから…』とアタシに言うたあと、背広姿で黒の手提げかばんを持って玄関を出た。
ダンナは、この日を最後に家に帰らなくなった。
それから15分後であった。
アタシのスマホにゆうとさんからメールが届いた。
けいこさんへ
これから松山へ行きます。
待ち合わせは、どこにしますか？
返事を待っています。
ゆうと
アタシは、ゆうとさんに返信メールを送った。
ゆうとさんへ
今、特急列車に乗っているの？
今10時だから、昼の２時にいよてつ古泉駅で会いましょう。
待ってます。
けいこ
それから５分後に、ゆうとさんからメールが届いた。
けいこさんへ…
今、特急いしづちの中にいます…
２時にいよてつ古泉駅で待ち合わせですね…
今から、会いに行きます。
ゆうと
午後１時40分頃であった。
アタシは、いよてつ古泉駅のプラットホームでゆうとさんがやって来るのを待っていた。
アタシは、白のシースルートップスとデニムのフレアスカート姿で、白のトートバッグを持っていた。
アタシは、心おどらせながらゆうとさんを待っていた。
(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…)
駅の近くにあるふみきりの警報器が鳴ったと同時に、プラットホームに郡中方面行きの電車が入った。
到着した電車の中から、ゆうとさんが降りた。
ゆうとさんは、グレーのTシャツの上から白のワイシャツをはおって、下はえんじいろのパンツをはいていた。
「けいこさん。」
「ゆうとさん、こっちこっち。」
アタシは、大きく手をふってゆうとさんに合図した。
その後、ふたりは手をつないでエミフルマサキへ歩いて向かった。
アタシとゆうとさんは、エミフルマサキの２階のグランフジのファッションのコーナーにいた。
この時、水着のクリアランスセールをしていた。
アタシは、売場でビキニの水着を買おうとした。
けれど、どれにしようかと迷っていた。
「あーん、どれにしようか迷っちゃう…」
このあと、アタシは試着室で４着のビキニを試着した。
３段のヒラヒラのビキニ、花柄のビキニ、パンツ目にゴム回りのヒラヒラビキニ、スカート全体にヒラヒラのビキニ…
あーん…
どれにしようか迷っちゃう…
「ねえゆうとさん。」
「なあに？」
「ゆうとさんは、どのビキニがいい？」
「んーとね…」
ゆうとさんは、一生懸命になって水着を選んだ。
その中で、ゆうとさんが選んだひと品は…
「スカートのヒラヒラ…」
ゆうとさんは、スカート全体にヒラヒラがついているかわいい色のビキニを選んだ。
「ヒラヒラのついているスカートがいいの？…そうねぇ…」
アタシは、ひと間隔空けてからゆうとさんに言うた。
「アタシも、スカートのヒラヒラがいいかなと想っていたのよ…それにしようかな…」
アタシは、スカートのヒラヒラがついているかわいい色のビキニを買った。
ショッピングを終えたふたりは、夕方４時半頃にいよてつ電車に乗って、一緒に松山市駅へ向かった。
ところ変わって、いよてつ松山市駅の高速バス乗り場にて…
アタシは、高松行きの高速バス『坊っちゃんエクスプレス』に乗って帰るゆうとさんに海水浴に行く約束を取り付けた。
「ゆうとさん。」
「なあに。」
「この夏のうちに、ふたりで海に行かない？」
「海…いいねぇ。」
「８月の第一土曜日に行こうと思っているけど…その日、ゆうとさんの予定は空いている？」
「うん、空いているよ。」
「それじゃあ、五色姫の海浜公園《ビーチ》へ行きましょう。」
「うん、一緒に行こうね。」
その後、ゆうとさんは高松行きの高速バスに乗り込もうとした。
この時、ゆうとさんはアタシに言うた。
「ぼく…けいこさん…いや…けいこと呼ぶよ…これからはけいこだけを愛すると訣意《けつい》した…けいこ…この際だからダンナなんかすてちゃえよ!!」
ゆうとさんは、アタシに『ダンナと離婚して、オレのもとへこいよ!!』と言うたあと、高速バスに乗り込んだ。
その後、ゆうとさんが乗り込んだ高松行きの高速バスが乗り場から出発した。
ゆうとさんは…
アタシに『オレと再婚しよう…』と言うた。
アタシ…
アタシ…
…………
ゆうとさん…
ううん…
ゆうとが…
好き…
大好き…
ダンナと離婚して…
ゆうとと再婚する…
けいこ…
ゆうとが好きなの…
（ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…）
この時、アタシの乳房《むね》の鼓動がより激しく高鳴っていた。
７月の第２金曜日のことであった。
この日の午後、テレビのニュースで四国地方が梅雨明けしたとみられると伝えられた。
松山市内は朝から気温が35度とうだるような暑さであった。
街中《まちじゅう》に、みんみんゼミの大合唱が聞こえていた。
この時、アタシたち夫婦の関係は一気に冷めた。
話しは、数日前のことであった。
ダンナは『出張が入ったから…』とアタシに言うたあと、背広姿で黒の手提げかばんを持って玄関を出た。
ダンナは、この日を最後に家に帰らなくなった。
それから15分後であった。
アタシのスマホにゆうとさんからメールが届いた。
けいこさんへ
これから松山へ行きます。
待ち合わせは、どこにしますか？
返事を待っています。
ゆうと
アタシは、ゆうとさんに返信メールを送った。
ゆうとさんへ
今、特急列車に乗っているの？
今10時だから、昼の２時にいよてつ古泉駅で会いましょう。
待ってます。
けいこ
それから５分後に、ゆうとさんからメールが届いた。
けいこさんへ…
今、特急いしづちの中にいます…
２時にいよてつ古泉駅で待ち合わせですね…
今から、会いに行きます。
ゆうと
午後１時40分頃であった。
アタシは、いよてつ古泉駅のプラットホームでゆうとさんがやって来るのを待っていた。
アタシは、白のシースルートップスとデニムのフレアスカート姿で、白のトートバッグを持っていた。
アタシは、心おどらせながらゆうとさんを待っていた。
(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…)
駅の近くにあるふみきりの警報器が鳴ったと同時に、プラットホームに郡中方面行きの電車が入った。
到着した電車の中から、ゆうとさんが降りた。
ゆうとさんは、グレーのTシャツの上から白のワイシャツをはおって、下はえんじいろのパンツをはいていた。
「けいこさん。」
「ゆうとさん、こっちこっち。」
アタシは、大きく手をふってゆうとさんに合図した。
その後、ふたりは手をつないでエミフルマサキへ歩いて向かった。
アタシとゆうとさんは、エミフルマサキの２階のグランフジのファッションのコーナーにいた。
この時、水着のクリアランスセールをしていた。
アタシは、売場でビキニの水着を買おうとした。
けれど、どれにしようかと迷っていた。
「あーん、どれにしようか迷っちゃう…」
このあと、アタシは試着室で４着のビキニを試着した。
３段のヒラヒラのビキニ、花柄のビキニ、パンツ目にゴム回りのヒラヒラビキニ、スカート全体にヒラヒラのビキニ…
あーん…
どれにしようか迷っちゃう…
「ねえゆうとさん。」
「なあに？」
「ゆうとさんは、どのビキニがいい？」
「んーとね…」
ゆうとさんは、一生懸命になって水着を選んだ。
その中で、ゆうとさんが選んだひと品は…
「スカートのヒラヒラ…」
ゆうとさんは、スカート全体にヒラヒラがついているかわいい色のビキニを選んだ。
「ヒラヒラのついているスカートがいいの？…そうねぇ…」
アタシは、ひと間隔空けてからゆうとさんに言うた。
「アタシも、スカートのヒラヒラがいいかなと想っていたのよ…それにしようかな…」
アタシは、スカートのヒラヒラがついているかわいい色のビキニを買った。
ショッピングを終えたふたりは、夕方４時半頃にいよてつ電車に乗って、一緒に松山市駅へ向かった。
ところ変わって、いよてつ松山市駅の高速バス乗り場にて…
アタシは、高松行きの高速バス『坊っちゃんエクスプレス』に乗って帰るゆうとさんに海水浴に行く約束を取り付けた。
「ゆうとさん。」
「なあに。」
「この夏のうちに、ふたりで海に行かない？」
「海…いいねぇ。」
「８月の第一土曜日に行こうと思っているけど…その日、ゆうとさんの予定は空いている？」
「うん、空いているよ。」
「それじゃあ、五色姫の海浜公園《ビーチ》へ行きましょう。」
「うん、一緒に行こうね。」
その後、ゆうとさんは高松行きの高速バスに乗り込もうとした。
この時、ゆうとさんはアタシに言うた。
「ぼく…けいこさん…いや…けいこと呼ぶよ…これからはけいこだけを愛すると訣意《けつい》した…けいこ…この際だからダンナなんかすてちゃえよ!!」
ゆうとさんは、アタシに『ダンナと離婚して、オレのもとへこいよ!!』と言うたあと、高速バスに乗り込んだ。
その後、ゆうとさんが乗り込んだ高松行きの高速バスが乗り場から出発した。
ゆうとさんは…
アタシに『オレと再婚しよう…』と言うた。
アタシ…
アタシ…
…………
ゆうとさん…
ううん…
ゆうとが…
好き…
大好き…
ダンナと離婚して…
ゆうとと再婚する…
けいこ…
ゆうとが好きなの…
（ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…）
この時、アタシの乳房《むね》の鼓動がより激しく高鳴っていた。
