若旦那様の憂鬱
木製の玄関ドア開けて店内に入ると、
真っ白な塗り壁が柔らかなランプの灯りに照らされて、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

通された部屋は個室のような作りで、
他の人の目を気にしないで寛げるような空間だった。

「素敵!外国に来たみたい。」

目の前の窓からは先程歩いて来た庭先が見える。
花は席に座ってふと、考えてしまう。

こんな可愛いお店にはきっと元カノと来たんだろうな…

そう思うと寂しい気持ちになる。

私が柊君の隣にいて違和感なく釣り合ってみえるのかなぁ。

歴代の彼女達を知ってるから余計に自分が子供に思えてくる。

不意にフワッとほおを撫でられて、
ビクッとして柊生を見る。

「どうした?」
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