若旦那様の憂鬱
花はぶんぶん首を横に振って、

「ありがとう、柊君。
ちょっと感極まって…凄い、お姫様みたい。」
おもむろに立ち上がって自分に当ててみる。

「良かった…、趣味じゃ無いって言われたらどうしようかと思ったよ。」
柊生は苦笑いする。

「じゃあ、明日用は明日の服?」

「ああ、今じゃスマホ一つで何でも買える世の中だ。」
柊生がそう言って花の横に座る。

「明日の服は明日の朝の楽しみに取っておく。」
花はそう言って柊生に寄り添ってくっついてくる。
いつになく甘えてくれる花が可愛くて、
柊生もしばらくそのままソファで寛ぐ。

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