彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】

溺愛

 いわれた通り彼のマンションへ帰った。

 すると、部屋へ入るやいなや、ベッドに引っ張られた。

 服を剥ぎ取るようにして、私を抱き寄せキスをする。

 激しく抱いたかと思えば、突然動きを止める。私はどうしていいかわからない。

「俺の気持ちが分かったか?昨日からこの話を聞いて、俺がどれだけの思いでいたと思う」

 そういうと、またゆっくりと彼は動く。徐々に熱がたまり、限界がくる。

 すると、またぴたりと動きが止まる。

「意地悪しないで、いや、お願い……」

 泣きながら、彼に腕を伸ばし身体を引き寄せキスをする。

「菜摘お前、異動を了承する気だな」

 急に動き出した。

「ああ、俊樹さん!」

「ああ、菜摘……」
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