俺様弁護士は激愛を貫きとおす

21.ずうっと一緒にいること

「クリスマスイブはやはり恋人たちのためのイベントなんでしょうか?」

 会社の帰り際、私物を入れているキャビネットの前で優羽は藤井にそう聞かれたのだ。

 バッグを取り出そうとしていた優羽は手を止めて、藤井の方を向いた。

「そうとも限らないと思うけど。うちは家族で過ごすことも多かったかなぁ」
 今までのクリスマスイブというものを思い出しながら優羽は答えた。

 しかし、それは優羽に長い間恋人がいなかったせいかもしれない。せっかくできた元カレもまさか二股とは思わず、クリスマスイブというものを一緒に過ごしてはいなかった。

 ──冷静に考えたら、その時点でおかしいと気づくべきではあったんだけれど。

「吉野さん、今年は素敵なイブをお過ごしになるんでしょうね」
 そう言われて、優羽は昨日の城ヶ崎とのやり取りを思い出していた。

 
「昂希くん、クリスマスイブはどうするの?」
 軽い気持ちで尋ねたら冷ややかな表情で見られてしまったのだ。

「あ?」
 ──目つきっ! 怖!
 危うく優羽は洗っていたお皿を落としそうになってしまったくらいだ。
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