俺様弁護士は激愛を貫きとおす

4.優羽は俺の彼女

 優羽のいる姫宮商事の総務部はいくつかのグループに分かれていた。

 主に会社の決算を担当している財務グループ、社内のイベントなどを企画する企画グループ、海外の社員のサポートを行う海外グループ、そして、それ以外の業務を請負う主幹グループだ。優羽はその主幹グループに所属していた。

 総務部の主幹グループは四半期ごとに決算がある。十二月に入るといそがしくなってしまうので、十一月のうちに年内にしておきたい仕事を進めておいたり、準備しておいたりする。

 決算は締め切りのある仕事なのでずらすことはできないからだ。決算後はそれを社内で社員の誰もが確認できるようポータルサイトにアップするなどの作業もある。

 その日は特に残業もなく、優羽は買い物をして家に帰った。
 カバンを置いて、買ってきたものをキッチンに置き、部屋着に着替える。メイクを落として、リビングに戻ってきたところだ。

 するとそれを見計らったようにスマートフォンが着信を知らせる。あまり着信することはないので、優羽は焦ってしまった。

 慌てて確認した着信画面には『城ケ崎昂希』と表示されていた。
 一瞬無視しようかとも優羽は考える。

 でも城ヶ崎のことだ。今スルーしたところで、絶対優羽が出るまで連絡してくるような気がする。
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