イケメンエリート、最後の独身


 そして、謙人は新しい発見をした。
 萌絵は甲斐甲斐しくお世話をする事が好きだという事。ホヨンに対して、何かをしてあげたくてしょうがないらしい。
 謙人は萌絵のそんな姿を見る事に苛ついていた。
 そして、あっという間に酔いつぶれた。まともに会話もできないほどに。

 今だって、そうだ。頭が重くて、眠たくて仕方ない。タクシーの振動が心地よく、それ以上に萌絵の膝枕が快適すぎて、まるで天国にあるふかふかの雲の上で寝ているみたいだ。
 そんな中で、時折、萌絵は謙人の髪を優しく撫でてくれる。その心地よさは今までの人生で体験した事がないほどに、全身を痺れさせた。
 でも、それ以上に、謙人は寝ていた自分を呪いたくなる後悔があった。それは曖昧な記憶でしかない。もしかしたら夢だったのかもしれない。だけど、夢だったとしてもそれは我慢ならないものだった。

 眠っている謙人の頭の上で、萌絵とホヨンはキスをした。
 多分… おそらく…


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