君の答えを、教えて。
やっと翔湊の唇が離れて、わたしはへなへなと座り込む。

「死んじゃ、嫌だよ」

顔を上げると悲しく笑う翔湊が目に映った。

こんな顔をさせてしまっているのはわたしなんだ。

ごめんね、翔湊。

先に教室に戻った翔湊に心の中で謝る。

わたしが死ななければ、翔湊は笑ってくれるのかな。

そんなもん、なのかな。

わたしが死ななければ、翔湊の純粋な笑顔が見れるのかな。

死ななければいけない他のやり方があればいいのに。

わたしは死ぬ以外の何もないんだから、それを奪っちゃダメなんだよ。

目に浮かぶ涙は流れることなく中で留まっていた。

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翔湊へ
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死ぬって死にたいって思ってごめんね。
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でも、本当の思いも伝えさせて。
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好きだよ。
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キスしてくれて、ありがとう。
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