跡取りドクターの長い恋煩い
「だ」

「だ?」

「抱きしめてもいいか?」

「プッ……もうーそこで聞く?」

 クスクスと笑う笑美里は最高に可愛くて、抱きしめたら最高に柔らかいに違いない。

「きゃっ」

 俺は我慢できず、思いっきり笑美里を抱きしめた。

「笑美里、好きだ! ずっとずっと好きだった。笑美里以上に好きな人なんて絶対この先現れない。大事にする。
だからもう一度俺と付き合おう?」

「私、何もできないけど本当にいいの?
 お料理も、小さい子のお手伝いレベルしかできないし……」

「料理は俺がする。そのためにスパダリ修行したんだから問題ない」

「スパダリ?」

 あ、マズい。これは言ってはいけないんだったか?

「……宗司くんそれ、ひょっとして瞳ちゃん?」

「え」

「瞳ちゃんがよく読んでるTL小説にあるの。『スパダリ四天王シリーズ』
 すっごくいいから読みなさい! って勧められた」

「……」

 そう。まさにそれです。はい。俺も読まされました。

 ……き、気持ち悪いって言われるか?
 さすがに男がアレを読んでるって引くよな?
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