跡取りドクターの長い恋煩い
二人の夜を再び
 笑美里が見せたかったという写真。それは俺が欲しかったのに手に入らなかったものだった。

 あの時の笑美里のニッコリ笑った写真。
しかも俺と手を繋いでいる。

 古い写真を大切に持っていてくれた笑美里に感謝だ。
これは俺との思い出を大切に思ってくれていたという証だった。
 
 アイスワインに合わせて作ったビワの生ハム巻を笑美里の前に差し出す。

 「これ、美味しいね。この上に載っているのは何?」

 「それはカッテージチーズだ。生ハムと相性がいい」

 「宗司くんすごいなー……何でも作れちゃう…………」

 どうやら笑美里はアテが気に入ったようだ。
しかし様子がおかしい。
 
 「笑美里?  酔ったのか?」

 「んー?  だいじょぶだよー……」

 「大丈夫じゃなさそうなんだが……」

 考えてみたら、そんなにアルコールに強くない笑美里だ。食事中にもワインを飲んだならそろそろ酔ってもおかしくない。

 「笑美里、寝るならベッドに行くか?」

 まだ一緒にいたくて「部屋に帰るか?」とは言いたくなかった。
俺はヤギボーで寝たらいいから、笑美里をベッドに寝かせよう。
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